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二尖大動脈弁と一尖大動脈弁

背景:一尖大動脈弁(UAV)はまれな疾患で,しばしば二尖大動脈弁(BAV)との鑑別が困難なことがある. BAVとUAVはrapheの存在,葉の融合,大動脈弁狭窄,大動脈弁逆流,上行大動脈拡張などの弁病態を共有しているが,UAVとBAV患者の心エコーによる包括的比較はこれまで行われていない

METHODS: 遺伝的関連大動脈瘤と関連心疾患の全国登録であるGenTACに含まれる疾患早期のUAVとBAV患者について調べた。 GenTACレジストリの臨床および心エコーデータを,UAV患者17名とマッチさせたBAV患者17名で比較した。

結果:人口統計学などのベースライン特性,BAVや大動脈瘤/鎖骨の家族歴などの臨床所見,心エコー変数はBAV患者とUAV患者で同様であり,大動脈狭窄はUAV患者で多く,より深刻であった。 これは、平均およびピーク勾配が高いこと、大動脈弁面積が小さいこと、弁膜変性が進んでいること(すべてP < .05)により証明された。 大動脈の寸法には有意差はなく,上行大動脈の肥大も同様のパターンであった

CONCLUSIONS: 大動脈弁の変性や狭窄がより加速しているにもかかわらずベースラインの特徴が類似していることから,UAVはBAV症候群のスペクトルの中でも極端な部類に属することが示唆された。 したがって,BAV患者の管理に関する推奨事項を,より稀なUAV患者にも適用することを検討することは妥当である