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森林の動態、進行中の環境変化が森林に及ぼす影響、生物相互作用の性質と強さの地理的勾配の原因と結果を理解するためには、乾燥などの急性ストレスがない場合に見られる典型的な低樹木死亡率である背景樹木死亡率の要因が中心である。 そこで、カリフォルニア州のシエラネバダ山脈にある原生林のネットワークプロットにおいて、13年間に記録された200,668樹年の観察データと3,729本の枯死木の詳細な病理データを解析し、樹木のバックグラウンド枯死に寄与する要因を明らかにすることを試みた。 その結果、以下のことがわかった。 (1) 生物学的な枯死要因(主に昆虫と病原体)が優勢(58%)で、特に大木では(86%)であった。 また、調査期間中に大発生がなかったにもかかわらず、キクイムシが最も多く(40%)、一方、落葉害虫の寄与はごくわずかであった。 (2) 枯死要因の大分類(生物的要因:58%、抑制要因:51%、機械的要因:25%)は樹種間で類似しているが、樹木の大きさや成長速度により異なる可能性がある。 (3)樹木に同時に発生することが予測できるような、異なる死亡要因のグループを示す証拠はほとんど見出せなかった。 この結果は、少なくとも3つの示唆を与えている。 第一に、多くの森林モデルが樹木の成長速度とは無関係と仮定している「周囲」または「ランダム」な背景死亡率は、雷や風雨などの生物的要因によるものではなく、樹木死亡の生物的要因に支配されており、将来の死亡率を予測する上で重要な意味を持つ可能性があることである。 したがって、たとえ健康で急速に成長する樹木であっても、背景死亡のメカニズムモデルには、樹木を枯らす昆虫や病原体を含める必要がある。 第二に、樹木の枯死を引き起こす生物学的要因は、予測可能ないくつかの組み合わせで発生するのではなく、一般に、互いに比較的大きな独立性を持って、日和見的に作用する可能性があることである。 最後に、現在、葉食と葉の防御に重点が置かれているが、生物学的相互作用の性質と強さの広範な勾配に関する研究には、木の茎と根に対する生物学的攻撃と防御も含めるべきである