なぜ、指紋があるのか?
by Lisa Zyga , Phys.org
(PhysOrg.com) — 皮膚の曲げ伸ばしによってできる体のほとんどのシワとは異なり、指紋は繰り返しの運動の結果できるものではありません。
考えられる指紋の目的の1つは、触覚を向上させるということです。 最近の研究では、科学者たちは、ゴムのようなセンサーでできた人工の指先で一連の実験を行い、この考えを調べました。 溝をつけた人工指先と、皮膚のような滑らかな素材との感度を比較したところ、溝をつけた指先は、少し粗い表面を滑らせると、滑らかな素材の最大100倍もの振動を発生させることがわかりました。
パリのエコール・ノルマル・スーペリオールの研究者たちは、振動の増加により、特に質感を感知するための触覚が強化されると説明しています。 質感のある表面を指でこすると、指紋が最適化された周波数帯の振動を特異的に増幅し、皮膚の神経終末であるパチニウス体(質感を感知する)を刺激します。
この発見が示すように、私たちの神経系(「ソフトウェア」)が触覚計算の役割を果たすだけでなく、身体の物理的特性(「ハードウェア」)も、感知する際の計算を強化するのです。 科学者たちは、ループのデザインによって、指先の向きに関係なく、いくつかの隆起が常に表面に対して垂直にブラッシングされるようになるのではないかと指摘しています。 さらに研究者たちは、この研究が義手の触覚フィードバックの強化につながる可能性があると予測しています。 “バイオミメティックセンサーで探る触覚情報の符号化における指紋の役割” J. Scheibert, S. Leurent, A. Prevost, and G. Debregeas (13 March 2009) Science 323 (5920), 1503. DOI: 10.1126/science.1166467
via: CERNクーリエとScience
に掲載されました。