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Ascaris worm in intercostal drainage bag: inadvertent intercostal tube insertion into jejunum: a case report

中年の男性が、最近左胸に鈍器外傷があり息切れと胸の痛みを訴えて深夜救急部を受診した。 左胸に気道を認めず、胸部レントゲンでは左気胸と肺の虚脱を認めた。 緊急に肋間チューブによるドレナージが計画された。 前腋窩線上の第5肋間に1.5cmの皮膚切開を行った。 動脈鉗子を切開部から挿入し、肋間筋を通過させ、頭頂胸膜が屈曲するまで挿入した。 鉗子を抜去し、人差し指を傷口に挿入し、胸腔内への進入を確認した。 32フレンチの肋間チューブを動脈鉗子に保持し、切開部から左胸膜腔に突き刺した。 約半リットルの血液がチューブから排出された。 チューブ内の気液柱移動を確認後、チューブを固定した。 さらに半リットルの濃い血液を一晩かけて排出した。 翌朝、胸部レントゲンで左胸部のチューブが横隔膜の上の肋骨角の下方に向いていることが確認された。 左肺はよく膨らんでおり、横隔膜の下に空気はない。 午後、肋間ドレナージバッグに胆汁混じりの血液50ミリリットルとともにアスカリス虫を認めた(図1参照)。 患者は腹部愁訴はなく、直立腹部レントゲンで横隔膜下に空気は認められず、腹部超音波検査で腹腔内に遊離液は認められなかった。 肋間チューブによる横隔膜破裂による腸管損傷を疑い緊急開腹手術が計画された。 開腹手術の結果、肋間チューブが横隔膜の左ドームを穿孔し、先端が空腸のループに入り込んでいるのが確認された。 チューブを左胸に戻し,横隔膜裂孔を2-0ポリプロペレンで修復した. 空腸穿孔はポリグラクチン(ビクリル)縫合糸で2重に閉鎖した。

図1
figure1

肋間排液バッグ内のアスカリス虫