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車椅子の後輪のキャンバーが及ぼす機械的影響

手動駆動の車椅子の後輪にネガティブキャンバー(車輪の底が上より遠くなるように傾斜させる)を付けることが、特にアクティブユーザーの間でますます人気が高まっている。 本研究では、キャンバーの変化が車いすの力学にどのような影響を与えるか、またその変化の程度を評価することを目的とした。 代表的な車いすに乗った擬人化ダミーを用いて、キャンバーを+15度から-15度まで変化させ、9つの変数に及ぼす影響を測定した。 ネガティブキャンバーは、車いすのトラック幅を広げるだけでなく、ホイールベースを広げ、フレームの高さを下げる。 また、ネガティブキャンバーにより、乗車した車いすの重心は後方に移動する。 ネガティブキャンバーはフレームを後傾させ、後輪のトーアウト、キャスター傾斜角の増加、キャスタートレイル距離の増加などを引き起こす。 車いすの1つの構成要素の変更は、他の多くの構成要素に影響を与えることが明らかであり、車いすのキャンバーを変更する際には、これらを考慮し、適切な場合には、補正することが必要である。