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白波

TOA放射に対する白波と泡の寄与は、白波自体の反射率と白波に覆われている海面の割合という2つの要素に依存する。

Gordon and Wang (1994b)に従って、TOAにおける白波と泡の寄与は

t(𝜃v,λ)ρwc(λ) = Nt(𝜃s,λ)t(𝜃v,λ),

where t(𝜃v.W),t(𝜃s,λ) は太陽方向への二次透過率、N は無次元正規化白波反射率である。N は式(3.)の正規化離水率N と同じ方法で定義する。3)の規格化白波レフレクタンスNと同様に、

N ≡π FoN = π RRo 2Lwc(𝜃s) Fo cos 𝜃st(𝜃s), (1)

ここでLwcは白波放射率である。 白波はLambertian reflectors であると仮定しているので、(Lwとは異なり)Lwcは方向𝜃v,φに依存しない。これは、「ρは、TOAで水平に保持されたLambertianターゲットが放射照度Lを生み出すために必要とするreflectance(反射放射照度を入射放射照度で除した値)」という解釈を与える(ゴードン&ワン(1994b)、ページ7754)。「Nは、大気減衰がない場合の白波から生じる海面の平均反射率として解釈できる。

effective whitecap irradiance reflectance は、Koepke (1984) から 0.22 (± 50% エラーバー付き) とされている。 このre-flectanceは波長に依存しない。 このことから、N = 0.22Fwc となり、Fwc は白波に覆われる海面の割合である。 この割合はStramska and Petelski (2003)から引用したもので、Fwcの2つのモデルを示している:

Fwc = 5.0 × 10-5(U10 – 4.47)3forevelopedseas (2) Fwc = 8.75 × 10-5(U10 – 6.33)3forundevelopedseas (3)

ここでWは10mにおける風速(ms-1)である.未開発海域の式(3)は、海がよく発達していれば、リモートセンシングが不可能なほど荒天、つまり曇天であろうという前提で用いられている.また、海がよく発達していれば、リモートセンシングは可能であろう. 図(4)の青い曲線は未開発海域のFwcである。

Nの最終モデルは

N(λ) = awc(λ) × 0.22 × Fwc = awc(λ) × 1.925 × 10-5(U10 – 6.33)3 と表される。 (4)

風速が6.33≤U10≤12ms-1の範囲では白波補正を適用する。 awc(λ)は、赤外および近赤外の波長における再蛍光スペクトルの減少を表す正規化された白色蛍光スペクトルである。 この係数は Frouin et al.(1996) の Fig.3 と Fig.4 から引用したもので、値は

である。