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この機械はファシストを殺す

ガスリーはファシズムに反対する際、その思想を「奴隷制度に似た経済搾取の一形態」と概念化し、ファシスト、特にその指導者を「世界から奪おうとする暴力団」とストレートに非難した。 これは、彼が「大恐慌の時、社会的、政治的、経済的不平等が小さな金持ちエリートによって生み出された」時の抗議戦略を思い起こさせるものであった。 その時代、ガスリーは「ジェシー・ジェームス、プリティ・ボーイ・フロイド、カラミティ・ジェーン、ダルトン・ギャングといった無法者の行為を、社会的責任の正当な行為であると同時に『抗議の究極の表現』としてロマンチックに描き、無法者を社会・経済状況の悪化に責任を負う人々と闘う典型的パルチザンに変身させていた」のである。

このように、ガスリーは、ファシズムに反対する人々を、ファシズム国家における単なる無法者としてではなく、「経済的混乱と社会的崩壊の時代」に「庶民を搾取しようとする極めて違法な犯罪努力」と戦うために立ち上がった英雄として鋳造した。 ガスリーは、これらの登場人物を単なる「間抜けなギャング」以上の大きな存在として描く一方、その叙情性は、「ファシズムの代表者を、通常は非常に低く評価され、さまざまな悪い性格的特徴を伴う動物として描写することによって、ファシズムの非人間的要素を外部化」しているのである。 例えば、「ヒトラーの首を切る話ブルース」という曲では、対抗しなければならない「ナチスの蛇」について語っている。 ガスリーは「人間的なものはすべて反ヒトラーだ」と宣言し、「You Better Get Ready」という曲では、サタンの姿に「Old Hell just ain’t the same/Compared to Hitler, hell, I’m t tame!」と宣言させたのである。 ガスリーは、ファシズムとの戦いを、善と悪の究極の戦いとしてとらえていた。 彼は「レイルロード・ピート」に宛てた手紙の中で、「ファシズムと自由は戦っている唯一の2つの側面だ…世界は2千5百万年間待っていた…きっぱりと決着をつけよう」と述べている